タンクとリヤシートカウルはオリーブ色、フロントフェンダーは黒色。タンクもカウルもボテッとした塗装です。見るからに膜厚があります。これがあまり気にいらないという事で真っ黒の艶々にという依頼です。フェンダーはさほどひどい状態ではありません。小ぶりなタンクでスポーツスターのカスタム車でしょうか。
フロント側の取付ステーがプラプラになってたんですが、これもしっかりと溶接します。
タンクの塗装を完成した後にステー溶接になってますのでタンクの傾きとかの関係で
各車両に後からセッティングして溶接するんでしょうね?
アメリカ本国からステー無しで来た物かと思いますが、塗装済みのタンクにステーを
溶接というのは、あまりやりたくないですね。熱とか、火花とかで再塗装なんてのは
勘弁してくださいという感じです。
注入口の画像ですが下地も含めて塗膜が厚いです。カリフォルニアでレストアされたアメ車はこの位厚い塗膜がざらですよ。パテをどっさり使うし、サフェーサーもパテ並みに厚く塗って、たいらを取ってる作業を良く見ました。よくカスタム車の雑誌でカリフォルニアの有名なレストアラーが載ってますが仕上げたスーパーカーなど見たら笑っちゃうような車がごろごろです。こちらもアメリカ仕上げで輸入された物かと思います。
一部剥いてみた画像です。予想はしてましたが全面パテだと思います。というより後でわかりますが、ワンオフなので当たり前でした。パテの下にプライマーでしょうか?ワンコートしてますが、パネルに錆が浮いてます。ポロポロ剥がれてくる状態です。
ハーレーのタンク全部剥いてみた画像です。サンダーで剥離しました。左右にパネル2枚注入口のパネルと合わせて3枚で作られてます。下部の画像はありませんが、2枚で作られてます。合計5枚のパネルで作製されたタンクです。アメリカではこんなのザラでしょうね。
サイドのエンブレム部分です。元々エンブレムが付いていた所が出てきたんですが、ここはパテで埋められてた所です。元々ハーレーのタンクでは無くいろんなメーカーのタンクを利用して
カスタム用のタンクを製造しているんでしょうね!アメリカに限らず日本でも作成されてますね。
サンダーで剥けないパテの残骸をサンドブラストで剥離してこの後エポキシプライマーを
塗装します。全面パテでしたからまた全面パテになると思われます。奥に写ってるのはホンダCL72のタンク、フェンダーです。ハーレーのタンクと同時進行になると思うので、一緒に紹介します。
エポキシプライマーを塗装しました。パネルの錆止め目的のプライマーです。サフェーサーの前にウオッシュプライマーを塗るのと同じ目的でなのですが、ウオッシュプライマーの上にパテは塗れませんのでエポキシプライマーで防錆していきます。加熱乾燥です。
タンク上部の画像です。注入口は何かの流用でしょうかね。ワンタッチのキャップではなくねじ込みのキャップです。あまり目にした事はないキャップです。うまく作ってますね。ここからパテで成形していきます。
これはアルミパテを一回研いだ後のポリエステル中間パテです。サイドはまだ後で、まず上の部分を平らにします。何といっても上の部分の三次元の曲面が厄介ですので。注入口がちょっと低くて周りのパネルの高低もちょっと問題なのです。上面を平らに研ぐと注入口がパテで埋もれてしまいます。板金するほどやわなパネルではないようで、自然なカーブでいかにもわからないようにパテ研ぎします。そして見た目スッキリと。
いろいろ修正しながらアルミパテ含めて5回パテ研ぎをしてやっとこポリウレタンフィラー塗装です。画像無いですが当然下地が出ますのでウオッシュプライマー塗装後フィラーを塗装してます。注入口の所は塗膜の厚い画像を前に載せましたがパネルの高低の関係で面位置にしました。
同時塗装のシートカウルはFRPです。別に問題の無い部材ですのでこのままフィラー塗装です。
オーナーの方がデカール持ち込みで位置決めに来社頂きました。最初のフリーハンドで描かれていたハーレーダビットソンと比べて、随分と大きいデカールだな~と思いますが、どんなんでしょうね。この位置で決定という事です。
ハーレーのタンクと同時進行のCL72のタンクです。同時期くらいにポリウレタンフィラーが入りました。ぱらぱらと一緒にガイドコート。前にも言いましたが、こういう三次元の物は研ぎ過ぎ、研ぎ残しが出やすいので研ぎの目安になるガイドコートは必須です。
ハーレーのシートカウルとCL72のサイドカバーパラパラとスプレー致します。シートカウルはFRPなのであまり気を使わず研いでますが、スチールの小物は結構気を使って研いでます。角など下地が出やすいですからね。あとは下処理後塗装です。