住宅ドアハンドルレストア

経年でかなりやれたドアハンドルの塗装依頼です。コーティングがボロボロになってます。

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サンドブラスト処理で旧コーティングと異物の除去です。

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今回の下地はウエットオンウエット処理で行います。画像はエポキシプライマーを1コート、30分程セッティング時間を取り、そのままトップコートです。このプライマー15度以下では塗装出来ませんという能書きがありますので、冬などはブースの雰囲気温度を30度位に上げて使用してます。今くらいの時期になると何の気兼ねも無く使用できます。小物の塗装には下地の研ぎとか乾燥の時間とか省略出来るのでケースバイケースで重宝してます。

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カラーとクリヤー塗装で完了。

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大型浴槽の蓋再生

 

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風呂の蓋は条件過酷ですね。そんなに長く使った訳でもないという事ですが?湿気と露は最悪でしょう。

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補修したとは言ってませんでしたが、一回塗ったような感じもします。定かではないですが。最初はプラスチック製かと思いました。縁の所の塗装ハゲた所が黒く、柔らかいので。面を研いでみたらアルミ製で表と裏がアルミ、中が材質わかりませんが、サンドイッチ状態です。正直見た目より重いです。塗膜剥がれの下はサフェーサーが塗ってあります。サンダー、ペーパーではちょっと厄介なので、剥離剤を使います。一発で綺麗に浮いてくれました。

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表裏をサンダーで均し塗装に入ります。

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どんな頑張っても表裏一緒に仕上げる事は出来ないので片面ずつ仕上げていきます。こちらはエポキシプライマー、所詮風呂蓋ですから〈失礼)多少のブツや、艶自体はあまり影響ないかと。それより剥がれ等の無い品質のほうが重要でしょう!

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エポキシプライマーを塗装して30分程でカラー塗装です。ウエットオンウエットで仕上げる塗装です。画像はエポキシプライマー塗装の画像です。

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こちらが上塗りの画像。色相が一緒なので変わり映えしませんが艶が違います。この後乾燥終了したら反対側を塗装します。

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乾燥後のマスキング、この後ウエットオンウエットで反対側(裏側?表側?)を仕上げます。

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三枚塗装完了です。こういう種類の蓋は蛇腹の蓋に比べていつも清潔に保たれるのではないかと思います。家のは蛇腹の蓋ですがちょっと古くなってくると、かびとか目立ってきますので掃除しやすい方がいいですね。

 

住宅用ドアハンドル再生

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築20年程の住宅のドアハンドルという事です。売約済みの中古物件という事で、リフォーム会社からの依頼。製品廃番でハンドルだけはもちろんAssyでも出ないそうです。ドアごと替えると予算的に大変とか。

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コーティングが剥がれてます。外側が2本で内側が2本だと思いますが、こちらが外側の2本です。紫外線、風雨に曝される頻度大ですので、酷い状態になってます。

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こちらが内側の2本。外側より状態はいいですが、ぷつぷつと浮きがあります。

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まず2本剥離してみた比較。

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全て剥離完了です。素材の色のままクリヤーコートされてはいないのですが、塗装ではなく、メッキとか印刷とかの類でブロンズ調にされてます。真っ黒に見えて光が当たるとゴールドに輝くような感じの色調です。塗装で再現するのは不可能ですが、それらしく見せることは可能です。

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プライマー塗装です。

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続いてポリウレタンフィラーの塗装。

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完璧に再現は無理でも光輝性の強い材料で光が当たった時にはキラキラと光る材料で塗装。まだベースコート状態なので、艶消し状態。

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クリヤーコート塗装。

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乾燥、組み付け、完成。ウエブではなく看板を見ての依頼でしたが、なかなか受けてくれる工場が無いようで、難儀してたようでした。満足して頂き感謝です。有難う御座いました。

 

ハーレーダビットソン塗装とデカール

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ハーレーの部品塗装前準備です。ハーレーの部品三点は下処理完了でこれから塗装です。フロントフェンダーは元々の塗装の状態がよいので裏をマスキングして表を塗装します。

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フロントフェンダーとシートカウルはこれで完了です。タンクはもう一手間かかります。

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フロントフェンダーはブツも無し、塗料も綺麗に流れてます。のでこのまま完成。シートカウルも同様に完成です。塗りっぱなしですが、車と違い面積小さく、塗る時間も車塗ってるより短いですからこういうことは結構あります。

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こちらがシートカウルの塗り画像です。バイクの部品は車のボンネットや、ドアと違って曲面が多いので塗料が綺麗に流れます。レべリングが良いというんですが、塗装屋の方は良くご存じでしょうがレべリング良くするのに塗り込み過ぎますとレべリング通り越して滝のような流れが発生します。安いクリアーや安いソリッド塗料程こういうトラブルが発生します。高級塗料、高級クリヤーほどレべリングの良い綺麗な塗膜が出来ますよ。もちろん艶も上質ですし、耐久も抜群です。コスト面を考えたら、材料自体は高いですが磨きとか、他の作業時間でなんとかなるでしょうか?

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完全乾燥後のタンクです。デカールを貼って最終クリヤーで仕上げます。フェンダーとシートカウルと一緒にクリヤーコートしたんですが、見たとおり艶がフェンダー等とは違ってます。クリヤーワンコートだけ塗りました。ソリッドですからハイソリッドのウノで仕上げてもいいんですが、デカール貼った後にクリヤーコートをするのと、オーナーの方がクリヤーのトップコート希望でしたので。

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デカール貼り準備。デカール貼る部分左右を1500番でさらっと足付けしました。指定の位置にマスキングテープで位置決め、霧吹きで水です。塗りたての塗膜にステッカーや、デカール貼ると密着が良すぎて失敗の可能性が大です。エアーが入ることも考慮して必ず水を使います。今では少なくなりましたが、ワンボックスやミニバンに前から後まで幅広のストライプテープが張ってあった車両がかなりありましたが、その場合は石鹸水や中性洗剤を薄めて良く使いました。

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左右サイドに貼り付け作業です。車のデカールは塗装完了後貼り付けですが、バイクは例外はありますが、ほとんどがクリヤー仕上げですね。そのほおが綺麗ですし、紫外線にも強いですから良い方法だとは思います。板金塗装が必要になった時も物を単体で仕上げられますから難しくはないですね。車では、たとえばミニバン等がクリヤー仕上げ等になってたらすごい作業になるでしょうね。コスト的にも。そんな事情かどうかは知りませんが、車では貼りっぱなしが多い気がします。

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右側も同様に貼りつけました。この後デカールが有る程度落ち着いたら全面足付けして塗装に入ります。

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全面クリヤーコートで塗装完成です。

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タンクの付属品取付て完成ですね。最初持ち込まれたときにフリーハンドでハーレーダビットソンの文字が書かれていたのが結構バランスがいいと思ってまして、あまりでかいデカールはどうかなと思いましたが仕上がってみるとやっぱりでかいですね。慣れの問題もあると思いますが、ごく自然な感じにだんだんなっていくんだろうなと。ぱっと見、あの人だとすぐわかるし目立ちますでしょうね。
この度は有難う御座いました。

 

ホンダCL72パーツ塗装

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昭和43,44年位のホンダスクランブラーCL72のタンク、フェンダー、サイドカバー
の塗装です。なぜかフロントフェンダーだけが純正のシルバーで他の部品はブルーメタの
再塗装品です。フェンダーのカラーに合わせて塗装します。

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落下されたようです

レストア中のCL72のタンクですが置いた所から落下したようです。ということでタンクが落下してしまったのを機に塗装物を仕上げる事にしたというお話です。注入口の所が錆浮いてますが中はそんなでも無いというか錆びて無いようです。

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フロントフェンダーは見た所完全にオリジナルだと思います。シルバーメタリックなんですが昭和40年代、50年代のシルバーメタリックはまさしくこんなメタリックです。日が当たってもさほど光る訳でもなく、日が当たらなければすごく黒っぽく見えるそんなのがこの時代のシルバーでした。もちろん車のシルバーもこんな色ならまだましでもっと黒いシルバーでしたよ。今ならこの色の再現性は簡単ですが、当時はラッカーとか、アクリル塗料とかベースもクリヤーも一液の塗料でしたからソリッドカラーならしっかり塗り込んでそれなりの外観になりましたが、シルバーの仕上がりなんかはまともな補修作業は見た事が有りません。今の2K塗料がバカちょん 塗料と言われるのはバカでも塗れる簡単塗料ということです。良い時代ですね。上塗りがこんな楽なんですから下地の作りをしっかりして欲しい物です。話飛びましたが、せっかくオリジナル塗装が残っているのでこのフェンダーに合わせてパーツ全て塗装していきます。

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タンクですが完全にオリジナルとは違います。ペーパー等でこすってみても塗ってあるのは
間違いないです。こんなのはサンダー、ペーパーで塗膜剥離するのは大変なのです。ペーパーが絡んではかどらないので剥離剤を使用します。

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まずは大雑把に剥離作業です。あまり剥離剤は使用しないのですが、何回か補修してあるような、またはそんな疑いのある物には使用する事にしてます。補修してある物は簡単に剥離できる物も有りますが、反面ディスク、ペーパー等にからんでどうにもならない物も有ります。これはどうかなと考えてるよりさっさと剥離剤を使う物も多いです。

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塗膜剥離後、剥離剤洗浄後の状態。

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剥離作業後、取りきれないカスをサンドブラストで除去した状態

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サイドカバー三点もタンク同様サンドブラストで剥離してます。ジワーっとミミズが
這ったような錆ですが40年も経つと当然の様な感じですね。

 

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タンクとサイドカバーの凹み修理です。タンクは凹み引き作業、パテ修正、サイドカバーも
パテ修正です。

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タンク左右には、今のバイクではほとんど見られませんがニーグリップパッドを取り付ける
為の金具が付いてます。ここの隙間も剥離剤、サンドブラストで塗膜が剥がれてます。
ウオッシュプライマーをスプレーだけでは塗りきりませんので、全体を塗る前に隙間に
塗るというより充填します。ここが錆びてる旧車もありますので、錆びにくいような
処理をしたいと思ってます。

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サイドカバーの表をウオッシュプライマー塗装、裏は既にフィラーまで仕上げてます。

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サイドカバー三点続いてポリウレタンフィラー塗装です。

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これは上下一緒に下地塗装したいのでぶら下げて塗ります。こんな方法でないと
塗れませんが上塗りではこんな方法では駄目かなと思います。タンクが装着されてる
状態で塗装するのが理想と思ってます。車のバンパーを塗装する時にも単体で
塗装する訳ですが、装着時と同じ姿勢で塗装することにしてます。上下逆とか
台に置いたままでは複雑な形状のバンパーに色が乗って無い所も出てくる場合が有ります。
装着時、上から見たら色が透けて見えたという事もありますよ。

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ニーグリップの部分の余分なウオッシュプライマーを拭き取って全体にウオッシュプライマーを
塗装します。

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続けて全体にポリウレタンフィラー塗装です。ニーグリップの隙間はちょっと念入りに。

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ポリウレタンフィラー塗装後、同時進行のハーレーのタンクと一緒にガイドコート、その後下処理、こちらを先に塗装してます。シルバーのベースコート塗装完了。フェンダーは裏の状態が良いので裏マスキングで表だけ塗装。サイドカバーは裏を先に塗装、マスキング済み。

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シルバーのベースコート、タンク塗装画像です。この後クリヤーコートすれば完成です。
現在のシルバーは塗る方法を間違わなければメタル(キラキラしてる粒)は綺麗に並んで素晴らしい塗装になります。昔とは段違いに楽です。難は調色くらいでしょうか?艶はこの後のクリヤーで出すだけです。ムラになるとか、艶が出ないとか、聞きますが普通にやれば問題ないのにややこしくしてるのは作業者の問題みたいです。同業者の友はとても少ないほうですが、そんな友との話でもよく聞きますね。いまでは各塗料メーカーが塗装に関する講習を通年開いてますから、訳の分らん先輩等に聞くより、自腹切ってでもそっちの教えのほうがよろしいかと。

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セッティング時間を取った後クリヤーコートで完成です。タンクのフレームに跨る部分は
まだ色がかかって無い所がありますので、乾燥後そこを塗ります。まあいろいろ工程は
かさむのです。

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画像がちょっと暗いでしょうか。シルバーとか白だと露出不足気味になりますね。
現在のキラキラしたメタルと違って日が当たっても今のシルバーに馴らされた目には
さほど光ってるとも思えないシルバーです。メタルが極小で黒っぽい感じなのです。
正面がそんなに明るくないのに透かしで見てもやはり黒っぽいです。四〇年代の
車も、バイクもシルバー色はこれでもかなりキラキラで明るかったのです。
CL72のシルバーには違和感のないかなり近い色と思います。