ハーレーダビットソン塗装とデカール

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ハーレーの部品塗装前準備です。ハーレーの部品三点は下処理完了でこれから塗装です。フロントフェンダーは元々の塗装の状態がよいので裏をマスキングして表を塗装します。

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フロントフェンダーとシートカウルはこれで完了です。タンクはもう一手間かかります。

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フロントフェンダーはブツも無し、塗料も綺麗に流れてます。のでこのまま完成。シートカウルも同様に完成です。塗りっぱなしですが、車と違い面積小さく、塗る時間も車塗ってるより短いですからこういうことは結構あります。

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こちらがシートカウルの塗り画像です。バイクの部品は車のボンネットや、ドアと違って曲面が多いので塗料が綺麗に流れます。レべリングが良いというんですが、塗装屋の方は良くご存じでしょうがレべリング良くするのに塗り込み過ぎますとレべリング通り越して滝のような流れが発生します。安いクリアーや安いソリッド塗料程こういうトラブルが発生します。高級塗料、高級クリヤーほどレべリングの良い綺麗な塗膜が出来ますよ。もちろん艶も上質ですし、耐久も抜群です。コスト面を考えたら、材料自体は高いですが磨きとか、他の作業時間でなんとかなるでしょうか?

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完全乾燥後のタンクです。デカールを貼って最終クリヤーで仕上げます。フェンダーとシートカウルと一緒にクリヤーコートしたんですが、見たとおり艶がフェンダー等とは違ってます。クリヤーワンコートだけ塗りました。ソリッドですからハイソリッドのウノで仕上げてもいいんですが、デカール貼った後にクリヤーコートをするのと、オーナーの方がクリヤーのトップコート希望でしたので。

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デカール貼り準備。デカール貼る部分左右を1500番でさらっと足付けしました。指定の位置にマスキングテープで位置決め、霧吹きで水です。塗りたての塗膜にステッカーや、デカール貼ると密着が良すぎて失敗の可能性が大です。エアーが入ることも考慮して必ず水を使います。今では少なくなりましたが、ワンボックスやミニバンに前から後まで幅広のストライプテープが張ってあった車両がかなりありましたが、その場合は石鹸水や中性洗剤を薄めて良く使いました。

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左右サイドに貼り付け作業です。車のデカールは塗装完了後貼り付けですが、バイクは例外はありますが、ほとんどがクリヤー仕上げですね。そのほおが綺麗ですし、紫外線にも強いですから良い方法だとは思います。板金塗装が必要になった時も物を単体で仕上げられますから難しくはないですね。車では、たとえばミニバン等がクリヤー仕上げ等になってたらすごい作業になるでしょうね。コスト的にも。そんな事情かどうかは知りませんが、車では貼りっぱなしが多い気がします。

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右側も同様に貼りつけました。この後デカールが有る程度落ち着いたら全面足付けして塗装に入ります。

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全面クリヤーコートで塗装完成です。

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タンクの付属品取付て完成ですね。最初持ち込まれたときにフリーハンドでハーレーダビットソンの文字が書かれていたのが結構バランスがいいと思ってまして、あまりでかいデカールはどうかなと思いましたが仕上がってみるとやっぱりでかいですね。慣れの問題もあると思いますが、ごく自然な感じにだんだんなっていくんだろうなと。ぱっと見、あの人だとすぐわかるし目立ちますでしょうね。
この度は有難う御座いました。

 

ホンダCL72パーツ塗装

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昭和43,44年位のホンダスクランブラーCL72のタンク、フェンダー、サイドカバー
の塗装です。なぜかフロントフェンダーだけが純正のシルバーで他の部品はブルーメタの
再塗装品です。フェンダーのカラーに合わせて塗装します。

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落下されたようです

レストア中のCL72のタンクですが置いた所から落下したようです。ということでタンクが落下してしまったのを機に塗装物を仕上げる事にしたというお話です。注入口の所が錆浮いてますが中はそんなでも無いというか錆びて無いようです。

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フロントフェンダーは見た所完全にオリジナルだと思います。シルバーメタリックなんですが昭和40年代、50年代のシルバーメタリックはまさしくこんなメタリックです。日が当たってもさほど光る訳でもなく、日が当たらなければすごく黒っぽく見えるそんなのがこの時代のシルバーでした。もちろん車のシルバーもこんな色ならまだましでもっと黒いシルバーでしたよ。今ならこの色の再現性は簡単ですが、当時はラッカーとか、アクリル塗料とかベースもクリヤーも一液の塗料でしたからソリッドカラーならしっかり塗り込んでそれなりの外観になりましたが、シルバーの仕上がりなんかはまともな補修作業は見た事が有りません。今の2K塗料がバカちょん 塗料と言われるのはバカでも塗れる簡単塗料ということです。良い時代ですね。上塗りがこんな楽なんですから下地の作りをしっかりして欲しい物です。話飛びましたが、せっかくオリジナル塗装が残っているのでこのフェンダーに合わせてパーツ全て塗装していきます。

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タンクですが完全にオリジナルとは違います。ペーパー等でこすってみても塗ってあるのは
間違いないです。こんなのはサンダー、ペーパーで塗膜剥離するのは大変なのです。ペーパーが絡んではかどらないので剥離剤を使用します。

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まずは大雑把に剥離作業です。あまり剥離剤は使用しないのですが、何回か補修してあるような、またはそんな疑いのある物には使用する事にしてます。補修してある物は簡単に剥離できる物も有りますが、反面ディスク、ペーパー等にからんでどうにもならない物も有ります。これはどうかなと考えてるよりさっさと剥離剤を使う物も多いです。

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塗膜剥離後、剥離剤洗浄後の状態。

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剥離作業後、取りきれないカスをサンドブラストで除去した状態

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サイドカバー三点もタンク同様サンドブラストで剥離してます。ジワーっとミミズが
這ったような錆ですが40年も経つと当然の様な感じですね。

 

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タンクとサイドカバーの凹み修理です。タンクは凹み引き作業、パテ修正、サイドカバーも
パテ修正です。

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タンク左右には、今のバイクではほとんど見られませんがニーグリップパッドを取り付ける
為の金具が付いてます。ここの隙間も剥離剤、サンドブラストで塗膜が剥がれてます。
ウオッシュプライマーをスプレーだけでは塗りきりませんので、全体を塗る前に隙間に
塗るというより充填します。ここが錆びてる旧車もありますので、錆びにくいような
処理をしたいと思ってます。

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サイドカバーの表をウオッシュプライマー塗装、裏は既にフィラーまで仕上げてます。

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サイドカバー三点続いてポリウレタンフィラー塗装です。

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これは上下一緒に下地塗装したいのでぶら下げて塗ります。こんな方法でないと
塗れませんが上塗りではこんな方法では駄目かなと思います。タンクが装着されてる
状態で塗装するのが理想と思ってます。車のバンパーを塗装する時にも単体で
塗装する訳ですが、装着時と同じ姿勢で塗装することにしてます。上下逆とか
台に置いたままでは複雑な形状のバンパーに色が乗って無い所も出てくる場合が有ります。
装着時、上から見たら色が透けて見えたという事もありますよ。

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ニーグリップの部分の余分なウオッシュプライマーを拭き取って全体にウオッシュプライマーを
塗装します。

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続けて全体にポリウレタンフィラー塗装です。ニーグリップの隙間はちょっと念入りに。

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ポリウレタンフィラー塗装後、同時進行のハーレーのタンクと一緒にガイドコート、その後下処理、こちらを先に塗装してます。シルバーのベースコート塗装完了。フェンダーは裏の状態が良いので裏マスキングで表だけ塗装。サイドカバーは裏を先に塗装、マスキング済み。

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シルバーのベースコート、タンク塗装画像です。この後クリヤーコートすれば完成です。
現在のシルバーは塗る方法を間違わなければメタル(キラキラしてる粒)は綺麗に並んで素晴らしい塗装になります。昔とは段違いに楽です。難は調色くらいでしょうか?艶はこの後のクリヤーで出すだけです。ムラになるとか、艶が出ないとか、聞きますが普通にやれば問題ないのにややこしくしてるのは作業者の問題みたいです。同業者の友はとても少ないほうですが、そんな友との話でもよく聞きますね。いまでは各塗料メーカーが塗装に関する講習を通年開いてますから、訳の分らん先輩等に聞くより、自腹切ってでもそっちの教えのほうがよろしいかと。

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セッティング時間を取った後クリヤーコートで完成です。タンクのフレームに跨る部分は
まだ色がかかって無い所がありますので、乾燥後そこを塗ります。まあいろいろ工程は
かさむのです。

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画像がちょっと暗いでしょうか。シルバーとか白だと露出不足気味になりますね。
現在のキラキラしたメタルと違って日が当たっても今のシルバーに馴らされた目には
さほど光ってるとも思えないシルバーです。メタルが極小で黒っぽい感じなのです。
正面がそんなに明るくないのに透かしで見てもやはり黒っぽいです。四〇年代の
車も、バイクもシルバー色はこれでもかなりキラキラで明るかったのです。
CL72のシルバーには違和感のないかなり近い色と思います。

 

 

ハーレーダビットソンタンク、カウル、フェンダー塗装

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タンクとリヤシートカウルはオリーブ色、フロントフェンダーは黒色。タンクもカウルもボテッとした塗装です。見るからに膜厚があります。これがあまり気にいらないという事で真っ黒の艶々にという依頼です。フェンダーはさほどひどい状態ではありません。小ぶりなタンクでスポーツスターのカスタム車でしょうか。

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フロント側の取付ステーがプラプラになってたんですが、これもしっかりと溶接します。
タンクの塗装を完成した後にステー溶接になってますのでタンクの傾きとかの関係で
各車両に後からセッティングして溶接するんでしょうね?
アメリカ本国からステー無しで来た物かと思いますが、塗装済みのタンクにステーを
溶接というのは、あまりやりたくないですね。熱とか、火花とかで再塗装なんてのは
勘弁してくださいという感じです。

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注入口の画像ですが下地も含めて塗膜が厚いです。カリフォルニアでレストアされたアメ車はこの位厚い塗膜がざらですよ。パテをどっさり使うし、サフェーサーもパテ並みに厚く塗って、たいらを取ってる作業を良く見ました。よくカスタム車の雑誌でカリフォルニアの有名なレストアラーが載ってますが仕上げたスーパーカーなど見たら笑っちゃうような車がごろごろです。こちらもアメリカ仕上げで輸入された物かと思います。

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一部剥いてみた画像です。予想はしてましたが全面パテだと思います。というより後でわかりますが、ワンオフなので当たり前でした。パテの下にプライマーでしょうか?ワンコートしてますが、パネルに錆が浮いてます。ポロポロ剥がれてくる状態です。

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ハーレーのタンク全部剥いてみた画像です。サンダーで剥離しました。左右にパネル2枚注入口のパネルと合わせて3枚で作られてます。下部の画像はありませんが、2枚で作られてます。合計5枚のパネルで作製されたタンクです。アメリカではこんなのザラでしょうね。

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サイドのエンブレム部分です。元々エンブレムが付いていた所が出てきたんですが、ここはパテで埋められてた所です。元々ハーレーのタンクでは無くいろんなメーカーのタンクを利用して
カスタム用のタンクを製造しているんでしょうね!アメリカに限らず日本でも作成されてますね。

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サンダーで剥けないパテの残骸をサンドブラストで剥離してこの後エポキシプライマーを
塗装します。全面パテでしたからまた全面パテになると思われます。奥に写ってるのはホンダCL72のタンク、フェンダーです。ハーレーのタンクと同時進行になると思うので、一緒に紹介します。

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エポキシプライマーを塗装しました。パネルの錆止め目的のプライマーです。サフェーサーの前にウオッシュプライマーを塗るのと同じ目的でなのですが、ウオッシュプライマーの上にパテは塗れませんのでエポキシプライマーで防錆していきます。加熱乾燥です。

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タンク上部の画像です。注入口は何かの流用でしょうかね。ワンタッチのキャップではなくねじ込みのキャップです。あまり目にした事はないキャップです。うまく作ってますね。ここからパテで成形していきます。

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これはアルミパテを一回研いだ後のポリエステル中間パテです。サイドはまだ後で、まず上の部分を平らにします。何といっても上の部分の三次元の曲面が厄介ですので。注入口がちょっと低くて周りのパネルの高低もちょっと問題なのです。上面を平らに研ぐと注入口がパテで埋もれてしまいます。板金するほどやわなパネルではないようで、自然なカーブでいかにもわからないようにパテ研ぎします。そして見た目スッキリと。

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いろいろ修正しながらアルミパテ含めて5回パテ研ぎをしてやっとこポリウレタンフィラー塗装です。画像無いですが当然下地が出ますのでウオッシュプライマー塗装後フィラーを塗装してます。注入口の所は塗膜の厚い画像を前に載せましたがパネルの高低の関係で面位置にしました。

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同時塗装のシートカウルはFRPです。別に問題の無い部材ですのでこのままフィラー塗装です。

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オーナーの方がデカール持ち込みで位置決めに来社頂きました。最初のフリーハンドで描かれていたハーレーダビットソンと比べて、随分と大きいデカールだな~と思いますが、どんなんでしょうね。この位置で決定という事です。

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ハーレーのタンクと同時進行のCL72のタンクです。同時期くらいにポリウレタンフィラーが入りました。ぱらぱらと一緒にガイドコート。前にも言いましたが、こういう三次元の物は研ぎ過ぎ、研ぎ残しが出やすいので研ぎの目安になるガイドコートは必須です。

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ハーレーのシートカウルとCL72のサイドカバーパラパラとスプレー致します。シートカウルはFRPなのであまり気を使わず研いでますが、スチールの小物は結構気を使って研いでます。角など下地が出やすいですからね。あとは下処理後塗装です。